房総自由民権資料館
(房総みんけん館)



資料館:〒296-0105 鴨川市成川1-1
郵送先:〒296-0104 鴨川市南小町 723

開館日 :   ※平日予約制
開館時間 : 午前10時 ~ 午後16時
◎問合先: 090-6952-0481 (館長携帯)
※メール:sakumako1@athena.ocn.ne.jp



主基村(由基村)の近代
特設展示コーナー




 村名の刻まれた瓦↑
 ※たった1枚残存(明治期)




主基小学校卒業アルバム↑
※たった1冊残存(昭和戦前期)



交通アクセス
館山自動車道・鋸南保田インターから約30分
  (インター→長狭街道→主基交差点南入)
②東京駅八重洲口バス鴨川直行便(1時間1本)


※JR鴨川駅東口からバス15分 → 
主基駅
 下車約5分

JR鴨川駅からレンタル鴨チャリ(電動アシスト付)約30分




English

再び光り輝く朝日のもとに
Under the rising sun,
It will shine again.



展示

     
  群 参 す る 地 域 の 民 権 家
      ↓下線の部分をclickして下さい 

安房地域

 
 
鴨川の民権教師 原亀太郎(HARA KAMETARO)  
  原亀太郎の墓・安田勲・加藤淳造(医師)・安房の女性民権家等

いすみ地域 

 
 
夷隅の豪農自由党員 井上幹(INOUE MIKI) 
  井上幹夫妻写真・産業結社「精農社」・薫陶学舎・嶺田楓江・君塚省三等

長生地域 

 
 
茂原の自由党員 齊藤自治夫(SAITO JIJIHU) 
  齊藤自治夫宛書簡の束・吉原次郎八宛齊藤書簡・略年表等


千葉地域
 

 
 
代言人 板倉中と妻比左(ITAKURA NAKABA・HISA) 
   大阪事件の弁護・自由党解党後の書簡・東海新報・千葉と東葛の民権家

山武地域 

 
 
憤起慷慨の民権家 桜井静(SAKURAI SHIZUKA) 
  豪農民権家の生涯を追いかける・山武と印旛の民権家

香取地域 

 
 
香取の商人自由党員 石田直吉(ISHIDA NAOKICHI) 
  温知社・自由党員名簿・秩父事件の千本松吉兵衛・銚子と海匝の民権家

資料室

 
 
自由民権資料コーナー   
  資料と統計・主宰の民権通信サイト集成・リンクと研究文献目録



象の耳、象の鼻(佐久間館長ブログ)
 2020年1月11日更新



《掲示板》

◎1月の行事
1月 1日(水):「みんけん館通信」第14号発行
1月 4日(日):仕事始め
1月11日(土):秀峯忌
1月18日(土):七郎忌
1月26日(日):予約客様

◎民権林園
☆収穫:里芋(並作)
☆作業:空豆土寄せ
☆花々:椿(紅・白)、水仙(黄・白)、山茶花(赤)

◎災害と異常気象
▲フィリピンのルソン島で火山爆発
▲オーストラリア南東部の山林大火災で野生動物多数被災

◎寄贈寄託資料・連絡通信コーナー(1月)
□古書目録『和の史第264号』思文閣2019年12月
□雑誌『日本史の研究267』山川出版社2019年12月
□資料「由基(ゆき)学校の瓦」(明治期)※鴨川市民から寄託



《民権館歳時記》

☆20世紀は「二つの世界戦争」と「社会主義革命」の100年であったと思います。21世紀は「多発する民族紛争」の100年になるのではないかと筆者は予想しました。

☆どうも予想は外れて、地球規模の「人為的自然災害」の時代に入ったようです。今後も異常気象のウオッチングと記録は継続したいと思います。

☆民権家の漢詩と「平仄(ひょうそく)」について考えることを1年近く休みました。次回企画展の為に再開します。今月は千葉卓三郎の「無題」(七言絶句)の「平仄」を考えてみましょう。

☆「〇」は平声(ひょうしょう)、「●」は仄声(そくせい)、「◎」は平仄両用の記号です(林古渓著『新修平仄字典』明治書院1935年)。平声、仄声、平仄両用の区分は小川環樹他編『新字源・改定新版』(角川書店2017年)で確認しました。

平仄(平起・下平八庚)、1882(明治15)年頃の作
 千辛万苦是吾行        ↓模範的平仄
 〇〇●●●〇◎       (平平仄仄仄平韻)
 
 不撓堂々生気盛
 ◎●〇〇◎●◎       (仄仄平平仄仄韻)
 
 枕石夜中眠路上
 ●●●◎〇●●       (仄仄平平平仄仄)
 
 杜鵑一叫夢難成
 ●〇●●◎〇〇       (平平仄仄仄平韻)
(江井秀雄『自由民権に輝いた青春』草の根出版会2002年)
※平仄の「模範的図式」は、小川環樹著『唐詩概説』(岩波文庫2005年)に依拠しました。

訓読
 千辛(せんしん)万苦(ばんく)是(こ)れ吾(わ)が行(たび)
 不撓(ふとう)堂々(どうどう)生気(せいき)盛(さか)ん
 枕石(ちんせき)夜中(やちゅう)路上(ろじょう)に眠(ねむ)り
 杜鵑(とけん)一叫(いっきょう)夢(ゆめ)成(な)り難(がた)し
※前掲『自由民権に輝いた青春』の訓読を参照し、部分的に筆者独自の訓読を試みました。

☆起句の第2字が平声なので、平起(ひょうおこり)の七言絶句です。28字中の26字が平仄の模範的図式に則っています(92.9%)。転句の「夜」と結句の「杜」だけが不規則ということになります。

☆押韻は起句の「行(八庚)」、承句の「盛(八庚)」、結句の「成(八庚)」です。すべて下平(かひょう)の八庚(はっこう)に属し、規定通りに作詩されています(前掲『唐詩概説』、石川梅次郎・浜久雄編『詩韻含英異同辨』松雲堂書店1962年)。千葉卓三郎は漢詩の平仄について正確な知識を習得していたと思われます。

☆起句の「千辛万苦(〇〇●●)」は様々な苦労を意味します。「行(◎)」を「たび」と訓読してみました。吉川幸次郎著『元明詩概説』(岩波文庫2006年)に「我行(わがたび)」、「行人(たびびと)」の用例が有ります。かつて色川大吉氏は、千葉卓三郎を「放浪の求道者」と形容しました(色川大吉著『明治の文化』岩波書店1970年)。

☆承句の「不撓(◎●)」は困難に屈しないことです。「生気(◎●)」は若々しい活気を意味します。千葉卓三郎はこの頃31歳です。

☆転句の「枕石(●●)」は、四字熟語の「枕石漱流(いしにまくらしながれにくちすすぐ)」(『蜀志』)を踏まえたものでしょう。意味は隠遁して自由な生活を送ることです。転句は「石に枕し夜中路上に眠り」と訓読すべきかもしれません。

☆文豪夏目漱石の雅号は、「漱石枕流(いしにくちすすぎながれにまくらす)」(『晋書』、『世説新語』)という負け惜しみの故事が由来であると云います。夏目漱石自身の五言古詩(正岡子規宛書簡1890年8月)に、「漱石又枕石(いしにすすぎてまたいしにまくらし)」の詩句が残っています(前掲『漱石詩注』岩波文庫2002年)。

☆結句の「杜鵑(●〇)」は夏鳥のホトトギスです。「夢難成(◎〇〇)」とはどういうことでしょうか。前掲『自由民権に輝いた青春』には、五日市憲法草案を完成させた「卓三郎の燃えるような情熱が、この漢詩のなかに凝縮されていた」と記述されています。大変示唆に富む見解です。

☆千葉卓三郎は1852(嘉永5)年6月17日に生まれ、1883(明治16)年11月12日に他界しました。同年の12月28日に、薫陶学舎の嶺田楓江も他界しています(『自由新聞』)。

☆浅学ながら、千葉卓三郎の漢詩を現代中国音で読むとどうなるかを記載します。現代中国音の表記も、小川環樹他編『新字源・改定新版』(角川書店2017年)を参照しました。

現代中国音
 千  辛  万  苦  是  吾  行
 qiān xīn  mò   kǔ  shì  wū   xíng
 
 不  撓  堂  々  生  気  盛
 bù   náo  táng táng shēn xì  chén
 
 枕  石  夜  中  眠  路  上
 zhěn shí  yè  zhōn mián lù  shàng
 
 杜  鵑  一  叫  夢  難  成
 dù  juān yī  jiào mén nán  chén

(この項続く)

(2020年1月)



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